猫の飼育頭数が犬を超えたとニュースになりましたね。
人間の生活に癒しと潤いを与えてくれるかわいいペットの犬や猫。
一人暮らしや高齢で寂しい気持ちの人たちも、ふわふわの猫ちゃんや従順なワンちゃんと一緒に幸せになってほしいです。
けれども犬猫も長生きになってきたので、世話をする人の年齢や生活環境によっては里親になる条件が厳しくなってきている現実があります。
少子高齢化や一人暮らし世帯の増加。犬猫殺処分ゼロを実現する方法は無いのでしょうか?
犬猫ペットは一生の友達
純粋に犬や猫が好きで家族に迎え入れたいと検討している人が多いのは嬉しいですね。
犬や猫、他のペットたちも、友達・家族・パートナーとして人間たちの生活を豊かなものしてくれます。
ペットを家庭に迎えるにはいくつかの方法があります。
拾う(保護する)
もらう(譲渡してもらう)
買う(購入する)
家族の一員となったペットたちは、どの子も家族と一緒に一生快適に幸せに暮らして欲しいと願っています。
猫の里親探しをした経験から
私は5匹の猫を拾って里親探しをしたことがあります。
先住猫と合わせて6匹を飼うわけにはいかなかったからです。
個人で保護した猫たちをもらってくれる人を探すのは至難の業でした。
獣医さんに相談に行ったりスーパーマーケットやホームセンターにポスターを掲示してもらったり。
インターネットで里親探しサイトに掲載して里親さんが見つかったときは本当に助かりました。
もうその時はもらってくれる人が見つかるだけで大感謝でした。
大事にかわいがってくれればそれで十分。里親さんの家庭環境など考えませんでした。
2人は独身の男性、1人は独身の女性、1人は高齢のお母様と住む女性でした。(残る1匹は我が家の家族になりました。)
その後それぞれの里親さんからは近況報告として猫たちの写真入りメールを数回いただいて、幸せにしてもらったんだなぁとホッとしました。
里親として猫を譲ってもらった経験から
私が今飼っている2匹の猫はもらった猫です。
17歳黒猫は夫の会社の同僚から3匹生まれた中からもらってくれと頼まれました。
10歳のぶち猫は、前述の里親探しで残ったぶち猫が7歳で死んでしまった後、どうにも寂しくて里親サイトから探しました。
その時も里親探しサイトが役に立ち、身元のはっきりしたかわいい子猫を譲ってもらうことができました。
病気をすることもなく長年我が家のアイドルたちとして過ごしています。感謝感謝です。
当時は里親詐欺事件や虐待のニュースが目立たなかったのでしょうか?
特に厳しい条件など無かったです。
メールで猫の写真やお互いの家庭環境をやり取りして、実際に保護者のご自宅まで猫を迎えに行きました。
やはり対面でお話しできると安心しますね。
里親になる条件が厳しいらしい
犬猫殺処分反対の立場から猫の里親になろうとしているのに、譲渡条件が厳しすぎて驚く、という投稿を目にします。
数ある里親探しサイト・里親探し団体の中には個人情報の提示を求めたり年齢条件を付けたりすることがあるようです。
【不可条件】
単身、男、学生、未婚のカップル、固定電話無し、フリーメールでのお問い合わせ、
8時間以上の留守、60才以上、飼育歴ナシ、賃貸住居(ペット可含む)、子持ち【義務】
世帯主の源泉徴収書または預金残高証明の提出、勤務先連絡先(電話で勤務実体を確認)、
顔写真の提出、身分証明コピーの提出、不動産登記の提出、予防接種・去勢避妊証明、
毎週成長報告、寄付、治療費、アポなし自宅訪問、アポあり複数人での自宅調査、餌指定yahoo知恵袋より引用:猫の里親サイト、条件厳しくないですか?
これも近年ニュースになるような動物虐待や詐欺事件など、悪意のある人間の手に渡ることが無いように予防線を張る必要からなのでしょう。
動物を譲り受けようとする人が、純粋に動物を愛する人ばかりでないことが悲しいです。
譲渡条件はどこも同じわけではなく、里親募集サイトや団体によって違いがあります。
たとえばペットのおうちの条件は、十分納得できる常識的なことが記載されています。
転売目的での譲受は禁止しております。 不妊手術(去勢・避妊)にご協力下さい!! 不妊手術前の犬・猫を譲受する場合は、交配をさせず体調や年齢を考慮した上で不妊手術を受けさせて下さい。 終生愛情と責任を持って育てることを誓約してください。 引き渡しに際し、誓約書に署名・捺印し、譲渡人・譲受人がそれぞれ1通ずつ保管します。 掲載情報に対し里親申し込みやお問い合わせを送信する際に、掲載者に一部会員情報(ユーザーID、ニックネーム、お住まいの都道府県、性別、年齢層)を開示する事に同意して頂きます。 引き渡し方法は、手渡しのみとなります。
犬猫も長生き 飼う人も高齢化
ペットフード協会発表 ペットの犬猫が高齢化裏付けるデータ
ペットフード協会(東京)は22日、全国の一般家庭で過去10年間に飼育された犬と猫の平均寿命が、犬は14.19歳、猫は15.33歳だったと発表した。近年、ペットの犬猫が高齢化しているのを裏付けるデータで、人間と同様に今後、高齢ペットの介護などの問題が深刻化するとみられる。
出典:毎日新聞2017年12月22日
ペットも長生きになってきた状況で、犬猫の譲渡条件に飼い主の年齢が入ってきたことは仕方のないことかもしれません。
我が家の高齢猫も17歳、友人宅の長寿猫は22歳です。
もしもこれから新しく子猫を飼うとして、50代~60代夫婦は猫を最後まで責任持って世話ができるかはわかりません。
条件が厳しすぎると殺処分問題解決が遠のく
一方で里親になりたいとせっかく応募してくれる候補者に、厳しすぎる条件で里親をあきらめさせるってどうなのでしょう?
厳しすぎる条件で譲渡を受けるよりも、ペットショップで買ったほうが良いと思わせてしまうなんて。
日本中で悲しい犬猫殺処分が無くなっていません。
動物保護施設で殺処分を担当しなければならない職員も本当にお気の毒だと思います。
世話を放棄して捨て犬・捨て猫をする人が悪いのです。
そうは言っても目の前に飼い主のいない犬猫の命が危機にさらされてそこにいるのです。
飼いたい人が飼えるように、世話をできる人が犬猫を迎えられるように、社会の仕組みを変えていけないのでしょうか?
犬猫の生体を展示販売する社会を変えないと
私は犬猫を展示販売する方法には反対です。
ペットショップやホームセンターのペットコーナーでケージに入った子犬や子猫。
新聞の折り込みチラシでセールの案内。商品として扱っています。
きちんと清潔な環境で健康管理もしつけもできるブリーダーと信頼関係を築いてから購入するならわかります。
ケースに入ったかわいい商品を衝動買いさせる展示販売は、「飽きたら捨てる」を誘発すると思うのです。
ペット飼育方法の教育が必要なのは人間のほう
純粋に犬猫を愛する気持ちを尊重してほしいと思います。
家族の一員として、かけがえのないパートナーとして、犬や猫と一緒に暮らしていきたい気持ちを大事にしてほしいです。
捨て犬捨て猫という悲しい命を増やさないために。
殺処分という切ない仕事を増やさないために。
ペットをめぐる旧態依然とした習慣や思考は、日本の社会が変えていかなくてはならない課題だと思います。