大学を卒業した自分の息子がニートになるなんて思ってもみなかった、というお母さんたちは少なくないでしょう。私もその一人です。
今日はそんな50代母の気持ちをラクにする気の持ちようを考えてみたいと思います。
ニートの原因は就職先とのミスマッチ
もっとも我が息子は中高時代から塾通いもせず、本は読むのは好きだけどちっとも勉強しない子だったので、世間一般に言うまともな就職ができるとはあまり期待してはいませんでした。
それでも裕福な家庭ではありませんから、親が助けてやることはできません。大学も奨学金を借りて進学しました。
ですから大学時代を友達と楽しく過ごす能天気な息子には、人並みに会社員になって大好きな寿司やうなぎを食べられるような普通の生活ができるようにしなさいよ、と常々言っていました。
東日本大震災の影響も大きく受けたとはいえ希望した学部を修了し、研究や学会発表も経験できたことは素晴らしいと思います。
クラブの友人とも仲良く楽しく充実した大学生活を送れたことは、親としてもうれしいことです。
ところが就職活動に乗り遅れ、卒業後に就職した会社は全く畑違いの業界で、結局1年しないで辞めてしまいました。
実家へ出戻りの息子を迎える母の気持ち
東京近郊で息子は独り暮らしをしていましたから、家賃もそれなりに安くはないです。会社が住居手当を補助してくれていたので何とかなっていましたが、退職したからにはその助けもありません。
本人の考えで退職したので親離れ子離れの意味でも一人暮らしを続けさせて、困るなら困ってもよいという気持ちもありました。
でもあなたなら放っておけますか?
私はできませんでした。家賃や光熱費が滞り、ろくな食事もせず、心身ともに健康を損なうのは目に見えていましたから。
親にできること 子にできること
本人の人生です。
就職先も生活の方法も、親や親戚がどうこう言ったところで本人がその気にならなければ始まりません。
You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.
馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない
親にできることは、本人に社会人である自覚を持たせることと、話を聞くことくらいでしょうか?
子にできること?
周りには甘えて自立できていないだけだと批判的に見られていても、本人が一番それをわかっているのではないでしょうかね。なんとかしなくちゃと葛藤していると思うのですよ。と、親は信じたい。
わが息子も一応実家に居候している自覚があるみたいです。結局のところ、人生の全責任を引き受けるのは本人しかいません。
そこのところだけ親も子もわかっていれば、長い人生の中のちょっと数年を寄り道していると思えばいいのではないでしょうか?
今はとにかく、一日も早く納得のいく生き方を見つけてくれるのを待ちつつ、同じ屋根の下で一緒にご飯を食べられる日々を楽しみたいと思います。