旅行が好き。人が好き。
だからやってみたいなー?と真っ先に頭に浮かぶ仕事は、観光・旅行業界ではないですか?
新しい土地。有名観光地。国内でも海外でもたくさん出かけてみたいですよね。
「添乗員に向いているのはこんな人」と「実際の添乗業務の仕事の流れ」を、国内バスツアー添乗員を40代で2年間経験したchocopiがお伝えします!
添乗員に向いているのはこんな人
旅行と人が大好きな明るい性格の人なら、だれでも添乗員になれます。
その中でも特に大切かなぁと思う特長がいくつかあります。
体力がある
健脚&健康第一なんです。
なぜかというと、動くバスの中で立ったり移動したり、観光地でも歩いたり走ったり(!)するからです。
ツアー当日に風邪ひいて急に仕事を休みます、というわけにはいきません。もちろん本当に高熱で動けなければ会社に代替をお願いするしかありませんが、お客様がツアーを楽しみに待っているので、這ってでも行く覚悟が必要な職種なのです。
そんなことにならないためにも、人一倍の健康管理が重要です。
精神力が強い
募集型バスツアーのお客様は年配の方から子ども連れファミリー・ひとり旅など、様々な背景の方が参加されます。
必要とする気配りも多様なので、全員に満足いただけるようにすることは難しいです。
一方に良いようにすれば他の方から文句が出たりもします。
観光地で歩くのが速い人・遅い人。集合時間をきっちり守れるご夫婦・毎回遅れるグループ。
やってられないよ~と感じたとしても、サービス業だからいつも笑顔で丁寧に対応したいです。
気持ちの切り替えが上手にできる精神力が必要です。
対応力がある
人が好きならどんなリクエストにも丁寧に対応できると思いますが、できることとできないことははっきりさせておく必要もあります。
渋滞にはまってスケジュール通りに動けない時、バスドライバーと旅行会社事務担当と相談しながら行程を変更したり、滞在時間を短縮したりすることがあります。
添乗員一人で判断できることではないので、訪問先施設に電話連絡を取ったりお客様に変更の説明をしたりして、ツアーがうまく運ぶようにする対応力が必要になります。
電話対応がうまい
バス会社・観光施設・レストランなどの訪問先など、電話連絡が多いので、必要な情報を簡潔にやり取りする必要があります。
お客様にもツアー前の出発案内やツアー料金・旅行保険加入の確認などの電話をするので、丁寧な電話の受け答えが大切になります。
年齢・性別は関係ない
体力的には30代40代が添乗員には向いていると思いますが、人間力なら40代50代かなぁ、と感じています。
圧倒的に女性添乗員が多くて転職する人も多かったけれど、定年後の仕事として継続している男性添乗員もたくさんいました。
ただ、小さい子供のいる家庭の主婦や家を長時間あけられない人は、添乗員の仕事は難しいでしょう。
独身であったり子どもからは手が離れて、長時間の日帰りツアーや数日の宿泊が可能な環境の人に向いている職業といえるでしょう。
実際の添乗業務の流れ
募集型バスツアーに添乗する実際の仕事の流れを見てみましょう。
ツアーのアサイン
添乗員登録をしている派遣会社にもよりますが、ツアー催行日の2週間前くらいから社内システムや携帯電話へのメールで仕事のアサイン(割り当て)が来ます。
担当できるかできないかを、他のスケジュールや家庭の事情と照らし合わせて回答します。同じツアーへの参加者が多く、バス複数台で催行する時は、同じチームになる添乗員に挨拶の電話を入れ打合せ日を決めます。
打合せ
打合せはツアーの前日か前々日くらいに登録派遣会社やツアーを催行する旅行会社で行います。
行程とスケジュールの確認
ツアーの集合場所・集合時刻・訪問先の滞在時間や食事場所が確定した行程表を受け取ります。
添乗員自身が初めて訪れる観光地もあるので、過去に行ったことのある添乗員のツアー報告書を読んだり、先輩添乗員に注意点など話を聞いたりします。
バス会社 訪問施設の予約確認
担当するツアーにバスを出すバス会社に予約の確認をします。同時に担当バスドライバーの氏名と携帯番号を聞いておきます。
バス席の割り振り
同グループがまとまって座れるように、一人参加の参加者も不便が無いように、バス席の割り振りをします。バス内に掲示する座席表も記入しておきます。
参加者へ最終電話連絡
集合場所・集合時刻を前日に案内して、参加者がツアー申込を忘れていた・場所や時刻を勘違いしていた、ということのないようにします。
そのほか、業務用携帯電話とツアー中に必要になる資金・仮払金(ファンド)を受け取っておきます。
車内販売があるときは必要な説明資料を、おみやげなどの配布物があるときはツアー参加人数分を受け取っておきます。
前日の打ち合わせ時にしっかり準備しておけば、ツアー当日の不安を抱くことなく行程管理に集中することができます。
当日
受付から出発まで
集合場所へは受付開始の30分前にはスタンバイしておきます。自宅から遠い出発地や早朝の場合は前泊することもあります。
バス出発時刻よりかなり早く集合している参加者もいます。
参加者名簿の準備をして受付を開始し、参加人数が揃ったことを確認したら出発となります。
ツアー開始と挨拶
添乗員の仕事は行程管理です。バスの出発をドライバーに指示し、参加者に一日の行程(ツアースケジュール)の案内をします。
出発と同時にバス内のマイクでツアー開始の挨拶とツアー内容の案内、団体ツアーの注意事項の説明をします。
楽しい旅の始まりの雰囲気作りも始まります。
バス運転手との連携
ツアー全体の行程やトイレ休憩の時間など、バス運転手との良好な連携がツアーの成功には必須です。
愛想の良い人悪い人、色々な人はいますけど、安全運転をしてもらえるように、添乗員はツアーの指揮者にもなりドライバーのサポーターにもなります。
訪問地での事務
食事場所や提携のお土産屋などの訪問施設では、チケットの購入や各種支払いなど旅行会社としての事務処理もあります。
観光案内
観光案内は本来はガイドの仕事です。けれどもガイドが同乗して観光案内するツアーでない場合、添乗員が訪問地の観光案内を期待されることがあります。
打ち合わせ時、ツアー出発前までに訪問地の下調べをしておく必要があります。
おみやげ配布・車内販売・車内ゲーム
ツアー募集時におみやげ配布を明示しているものがあります。
ツアー途中に訪問地ゆかりのお菓子を配ったり、終了後バスを降りて解散する時に全員に配るものもあります。
バスへの積み込みや参加者への配布は添乗員の仕事になっています。
車内販売はお弁当や現地の名産品などをバスツアー特別価格として案内することが多いです。
たくさん販売できたからと言って添乗員の収入が増えるわけではありません。売れなくても叱られませんが、嫌みくらいは言われます。
車内ゲームは勝ち抜き上位3位までが訪問地の名産品を賞品としてもらえるジャンケン大会などがあります。
ツアーを楽しいものにする演出として添乗員がエンターテイナーとなる役割があります。
アンケート
ツアーの最後に参加者がツアーを楽しめたか、改善点があるかなど、アンケートを取ります。
添乗員の評価もあります。点数が良くないとツアー精算時の終了報告で会社からいろいろ聞かれます。
ツアー終了と解散
まもなく解散場所へ到着する時に、終了の挨拶をします。
忘れ物をしないように、楽しい思い出と一緒に安全に帰宅してもらうように、参加者を見送ります。
最後にバス内の忘れ物確認をし、バスドライバーとお礼の挨拶をして終了です。
精算
ツアーが終わると数日中に旅行会社へ出社してツアー内容の報告と精算があります。
ツアー終了後なるべく早く、ツアー当日の状況や改善点などの報告書を書きます。
受け取っていた仮払金を精算し、借りていた業務用携帯電話を返却して終了となります。
添乗員になるには
バスツアー添乗業務の流れを見てきましたが、いかがでしたか?
募集型バスツアーはいろいろ違った背景を持ったツアー参加者と一緒に行動するので、難しい面もありますが、楽しいです。
別れ際に「一日楽しかったわぁ」「また会いたいわねぇ」と言われると、一日の疲れも吹き飛ぶほど嬉しいものです。
添乗員は年齢はあまり関係なく続けることができる職業です。
40代50代でもできる仕事なので、やってみたい気持ちになりましたら添乗員派遣会社の説明会に参加してみてください。
添乗員になるためにはTCSA日本添乗サービス協会の国内旅行業務旅程管理研修を修了する必要があります。
資格取得のために必要な研修は、添乗員登録した派遣会社で受講することができます。
まずは説明会に参加して派遣登録までの流れを知ることが大切です。
添乗員の仕事ぶりを観察するために実際に団体バスツアーに参加してみると、さらに仕事内容の様子がよくわかりますよ!