Go To トラベルキャンペーンが7月22日から始まると発表がありました。
新型コロナウイルスの感染防止に取り組んでいる中、疑問の声も上がっています。
なにしろ現状は感染拡大が続いていて時期が悪い。だから批判も多く東京発着は除外となりましたね。
キャンペーンはスタート時期を前倒しではなく、しっかり準備を整えた段階で実施すべきだったと私も思っています。
でも私はキャンペーン歓迎派です。
大学では観光を専攻し、ガイド・添乗員として少なからず観光に関わってきた人間としては、旅行業界・ホテル宿泊業界、観光関連産業の衰退を黙って見ていられません。
Go To トラベルキャンペーンを利用して旅に出かけるべき人と方法について、体験と自説をもって解説いたします。
感染予防をしながらどのようにして旅行を楽しんでいけばいいでしょうか。
Go To トラベルキャンペーンとは
2020年7月22日からスタートすることが決定したGo To トラベルキャンペーンについては、ここ数日の報道でもドタバタと大騒ぎになっているので見聞きしていることと思います。
当初はGo To キャンペーンとして、新型コロナウイルス感染症の流行収束後の一定期間に限定し、大きな打撃を受けた観光業の回復をはかるために取り組む4つの施策を掲げていました。
Go To Travel
国内旅行の宿泊・日帰り旅行の代金の1/2相当額が補助される
Go To Eat
オンライン飲食予約サイト経由で飲食店を予約・来店した消費者が飲食店で使用できるポイントをもらえる
登録飲食店で使えるプレミアム付き食事券(2割引き程度)が発行される
Go To Event
チケット会社経由で期間中のイベント・エンターテインメントのチケットを購入すると、2割引き程度の割引・クーポン等をもらえる
Go To 商店街
商店街等によるキャンペーン中のイベント開催、プロモーション、観光商品開発等の実施
この4つの施策の内の1つが宿泊や日帰り旅行に補助金が出るトラベルキャンペーンです。
わかりやすく解説すると、旅行会社やオンライン旅行サイトで予約したツアーや個人で直接宿泊予約したホテル・旅館の宿泊代金が割引になるというものです。
地域クーポンは7月22日のスタート時には間に合わなかったようです。9月以降の実施になるので当面は宿泊料金の割引のみですね。
だから9月からにすればよかったのにねぇ。。。
割引を受けるためには、申し込み先がGo To トラベル事業に参加事業者登録がされている旅行会社や宿泊施設である必要があります。申し込みを行うときは確認しましょう。
宿泊する旅行と日帰りとでは以下の違いがあります。
宿泊旅行の場合
申し込み先
- 旅行会社
- 旅行予約サイト
- 宿泊施設に直接
旅行商品の種類
- 宿泊と交通機関がセットになったプラン
- 宿泊のみ
- クルーズ・夜行フェリー・寝台列車(夜行バスは不可)
交通機関のきっぶ・チケットのみの購入は対象になりません。
日帰り旅行の場合
申し込み先
- 旅行会社
- 旅行予約サイト
旅行商品の種類
- 往復の交通費と食事や観光体験がセットになったツアー
(たとえば往復の乗車券と日帰り温泉、フルーツ狩りバスツアーなど)
利用すべき時期は9月以降
GoToトラベルキャンペーンは見切り発車の感が否めないです。
せっかく観光需要を上げようと企画して旅行代金半額補助のメリットを大々的に掲げているのに、地域クーポン券の準備ができていなくては魅力半減です。
まだこれから旅行計画を立てるなら、地域クーポンのメリットを受けられる9月以降にキャンペーンを利用したほうがいいと私は思います。
今年はコロナ禍で外出自粛が続きました。新幹線やバス・自家用車でも、まだ行ったことの無い土地や何度もリピートしているお気に入りの地域に出かけたいですよね。
でも旅行の楽しみは日常の生活圏から移動をすることだけではありません。
行った先の地域で食事をしたり、お土産をあれこれ選んだりすることが楽しいのです。
そしてその地域の人と出会い、言葉を交わす楽しみもあります。
日常から抜け出し非日常の時間空間を楽しむことが旅ですからね。
せっかく多額の財源をつぎ込んでキャンペーンをするなら、準備を万端整えてスタートしてほしかったです。
クーポンでお得感があれば、行った先の土地で少しぜいたくな食事にしたり、少し高価なお土産を多めに買ったりできますからね。
旅行者としては、キャンペーンの魅力を最大限活用できる期間に出かけたいですね。
キャンペーンの詳細はまだまだ変更があるかもしれませんが、やはり9月以降の地域クーポンの準備が整ってからが良いのではないでしょうか。
キャンペーンを利用して旅行に行くべき人とは
本来「行くべき」「行くべきでない」など他人の判断によらないものが「旅」だと思います。
自分の心の中から湧き出てくる必要性があって「旅」に出るのです。
したいからする。会いたいから会う。逃げたいから逃げる。
それでいいと思うんですよね。旅は非日常への逃避なんですから。
で、私は「Go To トラベルキャンペーンを利用して旅行に行ってほしい人」を考えました。
コロナ禍や災害で直接収入減にならなかった人
10万円の給付金を使える人
気持ちが上向かない人
自粛が続いてうんざりしている人
2020年に入っていよいよ今年は東京オリンピックがあるし、外国人旅行者も増えて、観光業界もこれからって気持ちだったと思うんですよね。
ところがコロナ禍で花見もゴールデンウィークも楽しめず、外出自粛が続いて気持ちが疲れてきています。
在宅勤務・テレワークならまだしも、失業・廃業で収入が無くなってしまったり、災害で生活自体が大変になってしまっている人が大勢います。
そんな状況で観光?旅行?何言ってるの!と怒りたくなる気持ちもわかります。
でも国民みんなが全員コロナ禍のせいで萎縮している場合ではない!のではないでしょうか?
観光は余暇・物見遊山のイメージが強いので気ままな遊びに見えるけど、観光産業は様々な職種や雇用を抱える、すそ野の広い産業なんです。
自動車産業が多くの部品を外注してサプライチェーンを維持しているように、観光もホテルや旅館の宿泊施設だけでなく、交通・小売・観光施設や多くの産業と関わって、大勢の人が働いて生活をしています。
お金を使える人・時間を取れる人が、キャンペーンの補助金の力を借りて旅行への消費行動を取ることも、社会貢献の一つになると私は思います。
まずは近隣のホテルステイから
コロナ禍による観光への影響は宿泊施設だけではありませんが、5月の宿泊者数が前年同月比84%減って驚きですよね。
これじゃどうやって経営を維持して行けるんだろうと、素人目にも思います。
Go To トラベルキャンペーンでは交通機関だけの利用料金は対象になっていません。
まずは住んでいる自治体や県内の温泉やホテルで、ちょっと贅沢にのんびり滞在型の休日を過ごすことから始めてみたらいかがでしょう。
遠くの観光地に出掛ける交通費が掛からない分、宿泊費を上乗せしていつもよりワンランク上のホテルや旅館を利用するのです。
都道府県や自治体で始まっている観光キャンペーンも利用価値が高いと思います。
私は楽しみにしていたコンサートがキャンセルになり、公演後に泊まろうと予約していたホテルに県のキャンペーンを利用して家族で泊ってきました。
普段なら予約の取りづらい人気ホテルですが、コロナ禍で予約はすんなり取れ、ホテル内も空いていました。
食堂も大浴場もエレベーターも空いていて、他の宿泊客とはあまり出会いませんでした。
ホテルのほうでも感染予防対策がしっかりされています。マスク着用・フロントのパーテーション・アルコール消毒はもちろん、人気のバイキング朝食は一人ずつのセットで提供されました。
旅行者側も感染予防エチケットをしっかり守る意識が必要です。
かえってこの時期のホテルステイは三密の心配が無く、ゆったり過ごせてすごくお得なんじゃないかと思いましたよ。
旅のかたちを変えるべき時
観光というと、特に高齢者の年代には単なる物見遊山、慰安旅行、団体宴会旅行のイメージがあるみたいですね。
団体の宴会付きの社員旅行なんてものは、もう無くして良いと思います。いやいや行く社員旅行とか団体宴会の忘年会とか必要ですか?
働き方改革にもつながりますよね。
社員には有給休暇をきちんと取らせて、家族と過ごす時間をしっかり確保してもらうほうが大切でしょう。
修学旅行もいらなくなるかもしれない。社会科見学の意味合いも昭和の時代ほど必要じゃないでしょう。
今ではインターネットや動画で映像付きで情報は得られます。むしろ実物を確かめたいと思った子だけが自力で「旅」に出ればいいと思うのです。
21世紀の現代では旅のかたちは変化してきています。
もしかしたらまだ数年、コロナ対策と共存しなくてはいけないかもしれない時代にはなおさら、楽しみの旅行は工夫が必要です。
ひとり旅・夫婦旅・少人数の家族や親友との旅が主流になるでしょう。
大勢でみんな一緒に横並びに合わせる必要はない時代ではないでしょうか。
気持ちを上向きにするには旅に出るのが一番
今年は桜を愛でることもゴールデンウィークの気候の良い季節に出掛けることもできませんでしたよね。
日本中でキチンと自粛要請にこたえて我慢したおかげで、ロックダウンもしないのにコロナ禍の第一波は乗り越えることができました。
医療関係者をはじめ多くの方々の尽力のおかげで、Go To トラベルキャンペーンを始めようかということろまでは来ました。
ワクチンや効果的な薬が手に入るまで時間がかかるなら、しばらくは感染症対策と日々の生活を共存させていかなくてはなりません。
生活を維持するために日本の経済を回していく必要があるなら、できることから、できる人からお金を使って消費行動を起こしていく必要があるように思います。
このところ気持ちがどんよりしがちだった私には「旅」が一番のクスリかもしれません。
旅好きな人は旅に出ましょう。